【pouring rain】 止まない雨が無いように、終わらない悲しみも無いのだと。 昔誰かがそういってた。 じゃあ。 私にはいつ、その日がくるの? 裸足で歩いた茨の道には。 私の血の跡しか残っていないのに。 雨よりも冷たい雪が。 私の体温を残酷に奪って行くばかりで。 未来に何も。 希望なんか抱けなくて。 * * * ふ…と、意識が戻ってくる。 見なれた天井。 いつもの部屋。 自分の呼吸が、少し乱れている事に気付いたのは、部屋があまりにも静かだったから。 夢の続きにいるような。 そんな空しい感覚。 (…さむい…。) 思わず、身震いしてしまう。 思い出した様に軋む体。 ゆっくりと、膝を抱え込む。 顔も布団の中にうずめて、何も見えない真っ暗な世界へ。 (…どうしてこんなにさむいの…?) うっすらと滲む涙は、つ…と流れ落ち、冷たいシミに変わる。 それが空しくて、唇を強く噛んだ。 「ねえ。」 と。 突如降って来た声に、私は噛んでいた唇を離した。 そっと布団を剥ぐ感触。 うっすらと明るい外の世界に見える…彼。 「大丈夫?」 そう言いながら、私の額に手を当てる。 ひんやりしていて心地のいい、手。 彼の手が冷たい事は知っていたけど。 それにしても、すごくホッとするのは何故だろう。 「気付いたら、苦しそうで。体が熱くて。ねぇ。」 ひたり、と今度はその手を頬に。 「どうしたら、楽になる?」 私は、ようやく理解した。 風邪でも引いたのだろう。どうやら、熱が出ている様だ。 「…て…。」 「ん?」 掠れる声に、耳を傾ける彼。 「手…、きもちいい…。」 そういって、うっすら笑うと、彼も満足そうに笑い返してくれた。 雨が止んだ訳じゃない。 あの時の悲しみも、ずっと胸に残ったまま。 だけど。 凍える私に、微かに伝わる優しい温度。 例え世界が終わっても。 この温もりだけは、きっと忘れない。 end... |
| -------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 短いssでした。 風邪引きネタは、いつかやりたいと思っていたのですが、思ったより話が膨らまなかったので、機会があればまた書いてみたいです。 ノウェの手はひんやりしているので(超捏造)、おでこに当てて貰ったらキモチイイのです。 -------------------------------------------------------------------------------------------------------------- |
| <TEXT> |